SSブログ

ルサンチマンとは [言葉、日本語]

・ルサンチマン

■ 知恵蔵2012の解説
ニーチェのキリスト教批判における中心概念で、「恨み」や「妬み」を意味する。『道徳の系譜』(1887年)において、ニーチェは、キリスト教の起源をユダヤ人のローマ人に対するルサンチマンに求め、キリスト教の本質はルサンチマンから生まれたゆがんだ価値評価にあるとした。被支配階級であるユダヤ人は、支配階級であるローマ人の力強さ、能動的に生を楽しむこと、自己肯定的であることに対して恨みや妬みを抱き、このルサンチマンから、強い者は「悪い」、強くない私は「善い」、という屈折した価値評価を作り出した。この価値の転換はさらに屈折の度合いを深め、「貧しき者こそ幸いなり」ということばに代表されるような、弱いこと、欲望を否定すること、現実の生を楽しまないことこそ「善い」とする価値評価が生まれ、最終的にキリスト教の原罪の考え方、禁欲主義、現世否定主義につながっていった、とニーチェは考えた。

■wikipedia
ルサンチマン(仏: ressentiment)とは、主に強者に対しての、弱い者の憤りや怨恨、憎悪、非難の感情をいう。デンマークの思想家セーレン・キェルケゴールにより確立された哲学上の概念である。この感情は自己欺瞞を含み、嫉妬や羨望に起源がある。フリードリヒ・ニーチェの『道徳の系譜』(1887年)でこの言葉が利用され、マックス・シェーラーの『道徳構造におけるルサンチマン』で再度とり上げられて、一般的に使われるようになった。

道徳の系譜 [編集]

ニーチェによれば、ルサンチマンを持つ人とは「本来の『反動』、すなわち行動によって反応することが禁じられているので、単なる想像上の復讐によってその埋め合わせをつけるような徒輩」[1]である。
ルサンチマンを持つ人は非常に受け身で、無力で、フラストレーションを溜めた状態にある。つまり、実際の行動をとるには社会的な制約があり、自身の無力を痛感している人である。そういう状態にあっては誰であっても、ルサンチマンを持つ状態に陥る。
社会的に強者であれば、嫉妬や反感といった感情に主体的に行動することができるため、フラストレーションを克服することができる。そのため、仮にルサンチマンの状態に陥ったとしても、一時的なものでしかない。
反対に社会的な弱者はルサンチマンから逃れられない。フラストレーションをむしろ肯定し、何もできないことを正当化するようになる。社会的な価値観を否定したり、反転した解釈を行うようになる。こういった自分の陥っている状態を正当化しようとする願望こそ、奴隷精神の最大の特徴である。
こうしたルサンチマンの表れの例として、敵を想定し、その対比として自己の正当性を主張するイデオロギーにある。こういったイデオロギーは、敵が悪の元凶とし、だから反対に自分は道徳的に優れていると主張する。「彼らは悪人だ、従ってわれわれは善人だ」というわけである。
敵として想定される存在は、自分が無力だと感じさせる対象が選ばれる。例えば、貧しさに無力を感じるルサンチマンの敵は資本家や大企業になる。
さらに、そのルサンチマンの敵が拡大すると、対象が社会全体になる。「世界はどうしようもなく悪によって支配されている。したがってわれわれのほうが世界より優れている」と拡大解釈されるようにもなる。
なお、ギリシア哲学研究で著名な田中美知太郎は、プラトンの対話編『ゴルギアス』でのカリクレスの主張―弱者たる多数派による法律に飼い馴らされた状態から、充分な天性を授かった人間(奴隷にしておいた主人)が立ち上がり、自然の正義が燦然と輝き出る、というもの―には、ルサンチマン概念の変奏曲の如きものが認められると指摘した(田中美知太郎責任編集『世界の名著 プラトン I』中央公論社)。

-------

言葉って、力のある話者が、力のある言葉として使えば、それまでの意味が変わるし、
簡単にはわからないような、構造になっているのだ、ということを思い知ります。
その構造をほぐしていくとようやくわかる言葉もある、ということですね。

nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 1

スー

(個人感覚ですが) 間違えた理解と感じる「ルサンチマン」の多用には抵抗が有りました。

その中で、純粋に論理と哲学で表されて居られる稀と感じる記述には胸がすく思いもしました。

2つに共通する点は「明確な分析対象を持っていること」と「自らの持つ(あり得るべき)基準を揺るがしては居ない」と言う認識でして・・・ 言い換えればキルケゴールもニーチェもルサンチマンの状態や部類ではないと私は理解しています。

キルケゴールにしろニーチェにしろ、一般言語表現とすれば意味が変わりそうな気もするのですが、それが現代社会での集団的ルサンチマン現象ではないかとも、改めて考えている次第です。
 私には有益なヒントにもなる日記へエールと感謝を。

 スー拝
by スー (2013-09-01 10:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。